理想のリーダー像とは?

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リーダーシップとは何か?

 

理想のリーダー像を考えるまえに、まずリーダーシップという言葉の意味を考えてみることにしましょう。

 

集団の目標や内部の構造の維持のため,成員が自発的に集団活動に参与し,これらを達成するように導いていくための機能。この機能は,一方で成員の集団への同一視を高め,集団の凝集性を強める集団維持の機能を強化させるとともに,他方で集団目標の達成に向って成員を活動せしめる集団活動の機能の展開を促すということにある。

(参考出典:ブリタニカ国際大百科事典)

 

とあります。要約すると、リーダーシップとは、「ミッションや目標を明確に定めて、それを目指す方向づけを行うこと」になるでしょう。

 

shutterstock_リーダー2

 

普段、リーダーシップという言葉は、

・チームメンバーの総意をとりまとめ、メンバーに的確な指示を与えること

・メンバー個々の能力をひきあげること

・メンバーをまとめあげて統率すること
・メンバーの模範となること
などの行動様式を指すイメージではないでしょうか。

 

しかし、これらは全て「目標を明確に定めて、その目標を目指す方向づけを行うこと」という先記リーダーシップ概念の具現化のために必要なマネジメント内容そのものと言えます。

 

 

 

リーダーのタイプ..

 

一昔前まで、理想的なリーダーと言えば、上意下達という指示命令系統のスタイルでマネジメントするカリスマ的あるいは支配的なリーダーがもてはやされていました。

 

しかし、昨今ではいささか様相が異なり、トップダウン型ではない、仲間との協働を軸としたスタイルが求められていると言われています。仲間への共感と思いやりの行動を通じて仲間からの信頼を獲得し、チーム一丸となって目指すべき方向に邁進するリーダーです。実際、このようなリーダーとともに働きたい、そうしたリーダーに共感できるという人が8割以上を占める調査結果もあるようです。

 

shutterstock_理想のリーダー

 

このリーダー像は、1970年にアメリカの教育コンサルタント、ロバート・グリーンリーフ博士が提唱した「サーバントリーダーシップ(リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである)」というリーダーシップ哲学やフランクリン・コヴィー博士の提唱する成功哲学「7つの習慣」と重なります。

 

かつては、組織やチーム目標達成におけるマネジメントの主体は、上位職や管理職であるとされていました。つまり、上位職がリーダーとして全てを決定し下達するという組織運営の形態です。

 

そして、この運営方法を主流のスタイルにしていた組織やチームの多くで浮き彫りとなったことは、不満を抱えている社員、メンバーが多いという課題でした。社員らは上位職の指示どおりに行動することで良しとされていましたが、それはひとりの人間、個としてではなく、組織やチームを動かす歯車のひとつとしての存在で、でした。

 

個としての自分を認めてもらうことが特段なかったわけですから、当事者としてはつまらないですし、面白くもなかったわけです。

 

上意下達型のように、コミュニケーションのあり方が上位職からの指示命令が主となってしまうとメンバー個々の主体性が薄れ、原動力が低下してしまい、目標達成が実現しにくくなってしまいます。

 

その一方で、仲間への共感や思いやりの行動を通じて仲間からの信頼を獲得し、チーム一丸となって目指すべき方向に邁進するという”仲間との協働を軸としたスタイル”になると、上位職は”メンバーの自律性や能動性を尊重し、彼らの成長を促す行動”を行うようになります。

 

すると、コミュニケーションのあり方が上意下達型ではなく双方向型となります。円滑な意思疎通を通じて、上位職も含めたメンバー全員が「自分の役割」と「自分のやるべきこと」を見出し、仲間と協働しながら「できること」に注力するようになるので、目標達成の実現が可能となるわけです。

 

 

 

リーダーに求められるもの

 

仲間との協働を軸としたスタイルで双方向型のコミュニケーションを実現するリーダーには、次の7つの要素が求められます。

 

1 感情に流されない、しなやかで折れない心を持つ

 

私たちは、日常、外部から様々な刺激をうけ、それに反応しています。

たとえば、人から悪口を言われ、激怒して言い返してしまい、険悪な雰囲気になってしまった、というシチュエーションで考えてみましょう。刺激とは、”人から悪口を言われた”ことです。反応とは、”激怒して言い返した”、そして結果は、”険悪な雰囲気になった”となります。

 

まず、ここで認識していただきたいことは、私たちは刺激に対する”反応の在り方”を自分でコントロールできるという点です。激怒するという反応もあれば、いちいち気にしていても仕方がないから放っておこうと無反応を決め込むこともできるわけです。つまり、反応(行動)の際に、”どのような選択を行って反応する”かによって、結果が変わってくるということです。自分に選択権、選択の自由があるということになります。

 

したがって、

・心をコントロールして反応(行動)は自分が選択するという意識をもつこと

・その結果については自分の責任という意識をもつこと

が重要になるのです。

 

 

2 目標を定め、方向づけを行う

 

これは冒頭に記したリーダーシップの定義に当たるもので、個人の価値観や信念、組織の理念などを明確に意識し続けることが習慣化されていることを意味します。

 

shutterstock_ゴールを定める

 

日常の仕事や生活に追われれば追われるほど、具体的な成果や結果をあげるためのマネジメントに意識が向きがちになってしまいます。けれども、リーダーは組織やチームのメンバーに、”ありたい姿”、目指す理想を常に指し示し、皆が鮮明にイメージし続けられるように明かりを灯し続けることが求められるのです。

 

 

3 自らの行動をマネジメントする

 

時間に追われることなく、限られた貴重な時間を有効につかうためには、自分の行動の選択を行うときに、自らのアイデンティティと目標を常に念頭に踏まえ、スケジュールや対応順序について是々非々で判断し、最もプライオリティの高いものから着手しなければなりません。

 

さらに、組織やチームの生産性やパフォーマンスをあげるためにも、リーダーやいつも決まったメンバーだけが仕事を抱え込むのではなく、メンバー全員で手分けをして効率よく行っていくことが必要です。つまり、リーダーには仕事や作業などを人に委託する能力、デリゲーション能力が求められるわけです。

 

「人に仕事を任せると、かえって仕事が増えてしまうから、自分で片付けた方が早い」などという言葉をよく聞きますが、これはデリゲーション能力が乏しいことを露呈しているに過ぎません。たとえば、人に何かを任せるとき、心配のあまりについ、いちいち細かく指図したり、頻繁に報告を求めたりしていると、相手の行動を常時管理する手間が増えるばかりか、その相手も自発的な行動ができない指示待ち人になってしまいます。

 

仲間を信頼し、意思を尊重する、そして具体的な手法は相手に任せ、結果にだけ責任を求める、これがデリゲーション能力の高い人が行うマネジメントと言えます。

 

そのためには、まず、リーダー自らがメンバーのために率先して動くこと、メンバーからの信頼度合いをより一層高める行動をみせることが重要になります。いわば、これは”自分から変わる”という選択権を使い、未来を創造するとでも言えるでしょうか。

すると、相手も同じように信頼をかえしてくれるようになってきます。

 

このように、リーダー自ら自身の行動をマネジメントすることで、人を育てながら、そしてより深い信頼関係を共につくりあげることが可能となり、ひいてはチームワーク力、チームパフォマンスの向上が臨めることとなるでしょう。

 

 

4 今のベストな状況は何かと常に考える

 

人と人との関係においてベストな状況とは「Win-Win」の形態です。「Win-Win」とは、お互いの信頼関係が成り立っていて、気持ちを理解し合えている状況です。あるいは、お互いのメリットや利益を求める考え方や行動を指し、関わる全ての人が満足できる「相手も勝って自分も勝つ」状況とも言えます。

 

shutterstock_WIN button

 

ところで、人と人との関わり方には全部で4パターンあります。「Win-Win」、「Win-Lose」、「Lose-Win」、「No-Deal」の4つです。

 

・「Win-Win」

さきほど説明したとおりで、お互いの信頼関係が成り立っていて、気持ちを理解し合えている状況、あるいはお互いのメリットや利益を求める考え方や行動を指し、関わる全ての人が満足できる「相手も勝って自分も勝つ」状況です。

 

・「Win-Lose」

「自分が勝って相手が負ける」状況で、スポーツなどの勝負事ではあたりまえの世界観と言えます。たとえば、仲間で協力し合って何かを成し遂げよう、成果をあげようとしているときに反対意見があったとしても”成し遂げるため”と言いながらいわば強引に自分の主張を押し通し、事をすすめてしまうシチュエーションを考えてみると、自分はWinでも、仲間にとっては決してWinではなく、「Win-Lose」ということになります。

 

・「Lose-Win」

「自分が負けて相手が勝つ」状況です。先ほどの事例でいえば、”成し遂げるため”に自分の主張を自発的に引き下げて”自分さえ我慢すればいい”などと相手に譲ってしまうケースがこれに該当します。

 

・「No-Deal」

「土俵から自ら降りる」ということ。「Win-Win」が叶わないのなら、お互いの意見の相違を認めたうえで、今回はあえて合意しない、協力し合わないという選択肢を選ぶというケースです。

 

 

5 Win-Winのために信頼関係を強化する

 

「Win-Win」の状況とは、お互いのメリットや利益を求める考え方や行動を指し、関わる全ての人が満足できる「相手も勝って自分も勝つ」状況のことです。これはお互いの信頼関係のもとに成り立っていて、この信頼関係をつくる基盤ともいえるものが、”傾聴して共感する”姿勢です。

 

”人は理解してもらえた分だけ、その相手を理解したいと思う”と言います。

たとえば、気分がふさぎ込んでいる友人がいたとします。自分に、そんな状況のなかで何かを伝えようとしている友人の話を”傾聴して共感する”には、まずその相手の話を純粋に聴いてあげたいという気持ちと姿勢が非常に重要です。

 

まず、相手の視点に立って、相手の身になって話をじっくりと聴くのです。五感をフルに活用して、相手の言葉の裏にある「わかってほしい」、「自分のせいじゃない」、「自分だって頑張ってる」、「気づいてほしい」、「もっと認めてほしい」、「哀しい」などのような心の叫び、胸に秘めた気持ちを、相手の表情、口調などから察し、読み取り、感じ取り、汲み取るのです、深く深く聴くのです。

 

話し方にはモードが2つあると言われています。ひとつは冷静沈着モード。自分の意見や考えが論理的に正しいのかを相手に確認したいときの話し方です。もうひとつは感情的モード。自分の本当の気持ちを知ってもらいたくて感情的になっているときの話し方を指します。

 

そして、この2つのモードをじっくりと聴き分けて、それぞれの流れに応じて”あいづち”を使い分けると効果的です。たとえば、前者のケースでは自分の考えを具体的に述べたり、相手にアドバイスをしたりすることで返すのです。後者のケースでは相手の心の叫び、胸に秘めた気持ちが自分に届いたこと、そしてその気持ちを認めたことを言葉で返して伝えてあげるのです。「頑張ってることを気づいてほしかったんだね」「つらかったんだね」などと。

 

相手の話を傾聴することで、相手を理解できるようになり、相手も自分のことを理解してもらえたと感じてくれれば、双方向理解が「理解し、理解される、Win-Win」関係の礎が築かれることになります。

 

仮に、相手の話を”自分の立場から聞いたり、自分の基準や経験則に基づいて解釈し相手に助言したりする”ことは、”傾聴して共感する”には当てはまらず、「Win-Win」の実現も難しいでしょう。

 

 

6 シナジーを創りだす

 

「シナジー」とは、「共同作用」「相乗作用」を意味する英語が語源で、2つ以上のもの、人、事柄などが、相互に作用し合い、ひとつの効果や機能を高めることを意味します。つまり、個々のものを合わせて、個々の部分総和よりも大きな全体成果を得ることです。

 

shutterstock_シナジー

 

組織やチームで考えてみましょう。様々な知識や考え方をもった人の集合体だからこそ、仲間と協力して物事をすすめるときには、往々にして意見の食い違いが生じます。そんなとき、相手を自分に従わせようとしたり、議論をさけるために早々と折れて妥協したり、そんな光景をよく見かけます。

 

こういったパターンに陥ると、個々の部分総和よりも小さな全体成果しか得られなくなってしまいます。いわば、1+1=1.3 < 2のような状況です。

 

この状況を打破するには、信頼関係の追求、共にWin-Win関係を創り出したいという信念、相手を常に理解しようとする姿勢、ムードが、組織やチーム内で沸き起こるようにリーダー自ら率先して行動を起こすことが重要です。”意見が異なるからこそ「そのような意見もあるのか!?」などと思わぬ発見があったり、互いの違いを尊重しながら物事の新たな見方を試したりすることで、自分の内面にシナジーが起こる可能性も高まるわけです。

 

実際、シナジーが創出される場を生み出すためには、自分に不利なことも、相手に不利なことも、心置きなく話し合える関係づくりが欠かせません。互いにわかり合う難しさを感じたときこそ、その中に成長と創造の機会があると捉え、率先して自分が変わる、自分の内面にシナジーを生み出す視野を広げる努力がリーダーには必要となるのです。

 

 

7 強い決意で自分を磨く

 

shutterstock_強い決意

 

これまで述べてきたように、リーダーには「目指す方向を定めたらブレずに進む強い意思をもっていること」、「相手と自分の利益追求のために、相手の感情や気持ちを慮りながらも自分の信念や思いを相手に届けられること」、「自分から変わる勇気を持ち合わせること」他、様々なことが要求されます。そして、日々、こうした自分の器を育むためにも、次のような人格を磨く努力、自ら行動し成長し続ける努力を怠らないことが加えて求められます。

・食事、運動、休息などによって身体のメンテナンスを行う

・自身の価値観を深く見つめなおし、心にブレない軸をたてる

・情報収集力を高め、知識をブラッシュアップする

・傾聴、共感の姿勢を貫き信頼関係をより強め、常にWin-Winを目指す

 

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

理想のリーダー像とは、仲間への共感と思いやりの行動を通じて仲間からの信頼を獲得し、チーム一丸となって目指すべき方向に邁進するリーダーでした。

 

これからのあなたと仲間との関わり合いがより良いものに変わるご参考になれば幸いです。

 

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