自己肯定感とは何か?
最近、よく見聞きする「自己肯定感」とは、そもそもなんでしょうか?
自己肯定感とは、自分自身の存在意義や価値を、自分の長所や短所を含めて認めることができる、肯定することができる気持ちや感情のことを指します。
自己肯定感が高いと、「自分は生まれてきてよかった」、「自分のことが誇らしい」などと思えたりします。言ってみれば、自分に対し自信が持てるので、何事にも果敢に挑戦できる、少々の壁や難事に遭遇してもビクともしない”しなやかで折れない心”や”自立心”が養われるのです。一方、自己肯定感が低いと、自分を信じることができず、さらに他人の言動が気になってしまうので、同じような厳しい状況におかれると、失敗を恐れるあまり、すぐにくじけて諦めてしまい、その場から逃避してしまうのです。
自己肯定感を語る上で、今一度、大事なことを整理しておくと..
1 自分自身の評価や判断
第一に、自分の能力や可能性、存在意義や価値について、自分自身がどのように考えているのか、捉えているのか、というおとです。ひとつひとつについて、”良し”、”悪し”を見極められるか、どの程度自分と冷静に向き合えられるか、がポイントになります。
2 評価や判断の受容
次に、その自己評価や判断結果を、良いところも悪いところも含めて素直に受け止められるか、ということです。「自尊心」や「セルフイメージ」という言葉でも表されるように、良いイメージも悪いイメージもありのままに認めることができるか、受容できるかという点が、自己肯定感のもう一つの大事なポイントになります。
言ってみれば、どんなに自己肯定感が低くても、自分自身と素直に向き合うことができるのなら、”自己肯定感を高められる” 可能性があるということです。
自己肯定感はどうやって形成されるのか?
自己肯定感は幼児期に基礎が作られる
自己肯定感は6歳頃までに土台が出来上がると言われています。その幼い心に、両親、祖父母などから沢山の愛情が注がれてるという実感が湧くことで、自己肯定感は徐々に育まれ、「ありのままの自分」を受け入れるバックグラウンドが形成されていくわけです。
自己肯定感が低い人と高い人との差異は、幼児期の体験の差であったとも言えるでしょう。
自己肯定感の低い人の幼児期
■両親から酷い精神的、肉体的な虐待をうけた
■両親から過干渉をうけ、「こうでないとダメ」と押しつけられた
■小さいときにクラスメイトから意味も無くいじめられた
■見た目などを笑われ、からかわれたりした
こうしたことの積み重ねで、「自分は孤独、魅力が無い、弱くて無力、価値がない」と思い込んでしまうようになります。そして、自分に自信をもてないまま、進学、就職の他、将来に不安を抱えながら成長してしまうことになります。
自己肯定感の高い人の幼児期
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■いつも両親や祖父母、兄弟などの家族がそばにいてくれた
■絵や歌、踊り、その他いろんなことを褒めてもらえた
■友達から遊びに誘われ楽しい思い出がある
無償の愛ともいうべき、両親や周りからの愛情によって、潜在意識の中に安心感とともに、「自分は自分のままでいい」、「自分は愛されている」といった気持ちや感情が根付くのです。これが価値観を形成し、自立を促し、様々なことにチャレンジする原動力になるのです。
自己肯定感の高め方
自己肯定感を高める方法、段階的に、しかも取り組みやすい方法によって、理想的な自分に近づける秘訣をご紹介します。
自己肯定感を高める12のステップ
1 できないことがあると認める
どうしても「できない」と思うことがあったときは、一旦、全てのことが得意でなくても構わないと考えることにしましょう。「できない」ことにフォーカスするのを一旦ストップするわけです。「できない」ことを意識し続けていると、その思いや気持ちがどんどん膨らみ、「自分はできない人間なんだ」という情報を自分で自分の脳に植え付けてしまうことになるのです。
2 自分の至らないことを書き出し、「~今は」を付け加える
自分の至らないことや悪いところを、思いつく限り、素直に書き出してみましょう。
例えば、
■仕事ができない
■誰にも愛されない、モテない
■楽しむ趣味もない
と書き出したとします。
そこに「~と今は思っている」などの言葉を付け加えるのです。
すると、
■「仕事ができない」と今は思っている
■「誰にも愛されない、モテない」と今は感じている
■「楽しむ趣味もない」と、今は思い込んでいる
のように、表現が変わります。
つまり、こうすることで、”至らないこと”、”悪いところ”と思っていることは、あくまでも、今現在の問題であって、”この先もぞの状況が続くわけではない”と考えられるようになるわけです。
3 自分の至らないことを許す
さきほどの例の場合、
■「仕事ができない」
→「仕事が出来る人間になっていい」
■「誰にも愛されない、モテない」
→「愛されてもいい、モテてもいい」
■「楽しむ趣味もない」
→「楽しむ趣味を持ってもいい」
一旦、自分の至らないことや悪いところを認めた後に、その逆の自分像になるように表現を書き換えてみましょう。潜在意識内の「〜が出来ない」という情報を、意図をもって強制的に書き換えるために、「〜が出来てもいい」と表現を変え、脳に新しい情報としてインプットするのが狙いです。
4 自分の短所を長所に置き換える
心理学の手法に”リフレーミング”という、物事の枠組みを変えて認識するという方法があります。それを自分の短所を長所に変える『言葉探し』のようなものだと思い、試してみましょう。
たとえば、
◆ 怒りっぽい
◆ のろま
◆ 飽きっぽい
をこれらを異なる視点から見ると・・・
◆ 怒りっぽい → 感情表現豊か、情熱的、正義感、人間味がある
◆ のろま → 慎重、動じない、自分のペースを持っている
◆ 飽きっぽい → 切り替えが早い、新しいものに敏感、フットワークが軽い
と言い替えることができます。
全ては捉え方次第で、違った状況として解釈できるわけです。
5 自分の長所や得意分野を伸ばす
自分の長所や得意分野は、さらに伸ばすように心がけましょう。
ネガティブな思考になって、自分の短所や不得意なことが気になってしかたがない場合は、今までの1〜4のステップを試してみることをお勧めします。
もし、自分の長所や得意分野がすぐに思い当たらないという方は過去に遡っても構いません。ただし、自己肯定感が低いと、過去を思い起こしてもそれらが見つけられないかもしれません。そのようなときは、どのような小さなことでも、些細な出来事であっても構わないので、人から”ありがとう”と言われたときのこと、褒められたときのことを思い出してみることをお勧めします。自分が行動したことで、人から喜んでもらえた、人の役に立ったと思えることが自己肯定感を育む一歩でもあるからです。
6 感謝の気持ちを伝える習慣をつける
リラックスしているとき、安らぎや癒しそして幸福を感じるときに、私たちの脳からセロトニンというホルモンが分泌されます。「ありがとう」という言葉は、相手の存在意義を認める魔法の言葉のひとつであり、心に落ち着きや幸福感を与える言葉のひとつでもあります。つまり、相手に対しても自分に対してもよい影響を与える言葉だということです。
感謝の心とそれを言葉にする習慣は、私たちの脳をスッキリさせ、心に集中力、落ち着きや幸福感を与えるセロトニンの分泌を促し、私たちの心の安定剤としてだけでなく、人の存在価値の再認識ツールとしても働いてくれるのです。
7 「隣の芝は青い」他人と比較しない
とかく人は、”自分よりもできる”と思う人と自分とを、つい、比較してしまうものです。できる人でもスーパーマンではありません。実は様々な問題をかかえているかもしれません。ですから、表面的なことで、他人と自分を比べるのは時間の無駄と考えて、すっぱりやめてしまいましょう。
”優劣”、”良し悪し”といった判断のものさしを、”他人”に置くのではなく、あくまでも”自分自身”を基準にすることが重要であり、それが自己肯定感という概念の本質と言えるのです。
8 改善点を見出す
失敗をして自分自身を責めてしまうことがあります。「出来るはずなのに、出来ない自分が許せない」などといったプライドがそう思わせるときもあるでしょう。
このようなときは、自分を責めるのではなく、まずは出来なかった原因や理由などをできるだけ多くリストアップしてみましょう。もちろん、その中には”できるはずなのに出来なかった自分”といった自己肯定感を下げる要素も、ひとつに挙げられることでしょう。
そして、書き出したひとつひとつに対して、”今後同じような状況におかれた場合、何ができそうか”ということを冷静に考えてみるのです。
ここで重要なことは、このようなことを習慣化することで、危機管理意識に基づいた改善点や対応策を見出すことができるようになり、さらにいたずらに自己肯定感を下げる”自己否定”の行為を避けられるようにもなります。
9 自分自身をとにかく褒めてみる
自己肯定感を高めようと努力しても、すぐに効果を実感するようになるとは限りません。徐々に、仕事やプライベートによい影響をもたらすものだと考えられます。自己肯定感を養う方法として、簡単に取り組めるもののひとつは、「自分で自分を褒める」ということです。自分一人で行えるので何かに依存する必要もありません。どのように小さな些細なことでも構わないので、出来たこと、実行したことなどをリストアップしてみましょう。そして、それらについて達成感を感じるように意識しましょう。
達成したことで自信が生まれ、コツコツその努力を続けることで自己肯定感も育まれていきますよ。
10 プラス思考や褒め上手の人と付き合う
類は友をよぶと言います。ですから、「プラス思考や褒め上手の人」と積極的に交流をはかってみましょう。ポジティブな人は、周りを明るくするパワーがあります。また、褒め上手な人は、普段、自分が気づかない自分の良さを引き出してくれるかもしれません。
そうした方と交流をもつことで、気づかないうちに、自己肯定感が養われていることを実感することもありますよ。
11 承認欲求を捨てる
「愛されたい」「認められたい」「褒められたい」といった気持ちや思いは、誰しもが少なからず持っているものと思います。
このような承認欲求は、
・ ひとから認められたいという”他者欲求”
・ 自分の理想である自分でありたいという”自己欲求”
に分けられます。
たとえば、友達や同僚から一目を置かれたいと思い、”一生懸命何かに打ち込んだり仕事をしたりして頑張る”のは、他者欲求の表れです。一方、”出来るはずなのに、出来ないのはどうしてなんだろう”などと考えるのは、自己欲求の表れと言えるのです。
他者欲求への対応策は、7に記すように「”優劣”、”良し悪し”といった判断のものさしを、”他人”にではなく、”自分自身”を基準にする」ことであり、自己欲求への対応策は、8に記すように「改善策を見出すことを習慣化する」ことでした。
いわば、承認欲求を捨ててしまうことは自己肯定感を高めるひとつの方法となりえるのです。
12 リラックスタイムを確保する
冒頭に記したように、自己肯定感は、”ありのまま”の自分を受け入れることが基盤になっています。自分の好きなことをしているとき、人はいちいち他人の評価などを気にすることもなく、自分視点で物事を見て考える時間を過ごしています。そんなふうに、自分の心を解放し、”気分のよい、安心感のある、リラックスした”時間、”ありのままの自分とその行動”を楽しめる時間をつくることは、自己否定を回避することに有効で、自己肯定感を育むよい方法の一つと言えましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
あなたのなかで自己肯定感が高まり、仕事やプライベートが充実した毎日になりますように..